長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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企画について

編集者が備えているべきスキルというものを紹介し、また、企画出しのトレーニングのために「ひとり虎の穴」を始めた中原さんという人がいる。曰く、編集者に求められる能力とは-

(1)良い企画書が作れる
(2)企画書に沿った原稿に仕上げられる
(3)良い執筆者や執筆者候補の人をたくさん知っている
(4)売れる装丁のポイントがわかっている

の4つなんだそうだ。この4つのほかにも、
「著者と良好なコミュニケーションが取れる」とか、
「企画を通せる高いプレゼン能力」とか、
「マーケティング能力」とか「コスト計算に強い」とか
「制作実務に関して詳しい知識がある」とか
数え上げればきりがないが、ただこれらは自然のうちに身に付くものらしい。

実感としては、上の最初の4つを習得するために大切なのは、いろいろなパターンの経験を主体的に積むことだと思うし、下の方のも漫然と仕事してて簡単に身に付けられるものではない気がする。

あと、企画書が優れていれば良い本になるのか?という疑問もある。売り込むための営業魂がギチギチ詰まった企画書、要諦はあのネタ、あの人を使うだけ、みたいな一発芸的企画書などいろいろあるが、たぶん企画書は売れるための十分条件ではないのだと思う。

されど、企画である。以前、新人編集部員に毎日1企画出せ、と指示してみたり、営業部員に売れる企画を編集に期待するな、営業が企画を決めるのだ、と号令を出してみたこともあったものだが。。かく言う私自身の企画が頼りない。でも、会社や市場の環境に応じた良い企画書に象徴される編集スキルは、中原さんも書いている通りどこの会社に行っても通用するそれなりの力になるのではないか。

個人的に基本は数だと思う。スポーツみたいなもので、普段の素振り練習が試合でヒットを打てる身体を作りセンスを磨くのだ。企画書を書いてはボツに、また書いてはボツにする経験が貴重なのだと思っている。

引っ越す前の前のオフィスの頃まで、「一言ノート」という存在があった。毎日、一言ノート係が社員全員から「今日の一言」を聞いて回るのである。それは、儲かる企画を常時皆でウンウン考え、ひらめいたらそれをすぐに書き留めるようにしようという趣旨からであった。

段々と社員が増え、役割分担が進み、社員全員で話題を共有する機会が減ってきているが、そうなると企画を人任せにしたり、自分で企画を出すより他人の企画を論評する方を得意とする人が出てくる。出版にしろ、ソフトにしろ、企画が命である。誰か「この企画のためなら殺されたっていい」とか言い出す当世風の人はいないものだろうか。いや、死ねというんじゃないけれど。
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by phasegawa | 2005-09-13 05:39 | business