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代表者印押印等申請書  

2005年 06月 14日

ついに当社にも「代表者印押印等申請書」導入の日が来た。ほんの6年前なら、会社の代表者印も、私が自分のズボンのポケットに入れっぱなしで出歩いていたくらいだったのに。それが机の引き出しに入り、手提げ式の金庫に入り、備え付けの金庫に移り、業務用冷蔵庫みたいな大型金庫に納まるようになった。ただ、金庫の開け方は教えてもらえていたので、私が勝手に会社の印鑑を持ち出すこともできていた。それが昨年の引越以降は、私も金庫に触れないようになった。それでも、金庫を管理する総務課の人に「これ押しといて」と口頭で頼めば押印してもらえていたので、ある意味楽になる一面もあった。ところが、いよいよ私も、捺印するためだけのための申請書に記入・署名・捺印をして提出し、受理してもらわなくてはハンコ一つ押せないようになってしまったのである。

こうした手続きの類は実に面倒くさい。社外への営業で忙しい時に、なんで社内の書類ごときに手間をかけにゃならんのだ、とイラつく。会社が成長しているのだと誇りを感じられたりすると、仕方ないかと納得できるものなのかも知れないが、何より従来とは明白に異なる目先の煩わしさにはうんざりさせられる。

面倒くさがりな私が新たなルールの導入に渋々従うとき、負け惜しみのようにしてよく言うのは、形式だけ整えたって中身が伴わなかったら意味がないんじゃない、という話だ。例えば契約がらみだったら、個別に起こりうるリスクを充分想定した内容になってるの?言い回しをもっとわかりやすくできないの?条件自体をもっと儲かるようにギリギリまで交渉できないの?などと言ってみる。でも、言っただけでは事態はあまり変わらない。契約作りや条件交渉に本気で取り組むにはそれなりのエネルギーを要するからだ。

印鑑の取扱いのようなコーポレートコンプライアンスの話から、切った張ったの商談のクロージングまで、企業の活動領域は広い。申請書やら決裁制度やら規程やらにつき、役員と言えども例外を許さずに守るべきルールを整備し、内部牽制の働く健全な職務分掌体制を敷くことは組織の維持・発展のためには不可欠なステップなのだろう。分業制を採用して各々の得意部門別のプロフェッショナルを育てることは、企業に奥行きを生み、総合的なグループの体力強化にもつながりそうだ。

しかし、敢えて言っておきたい。
どんなに書類の手続きが重視されるにしても、アイディアの価値は軽視しないで欲しい。
役割分担が進んでも、「それは私の仕事じゃないので知らない」とは言わないで欲しい。
想像力を求められない仕事はつまらなすぎる。

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by phasegawa | 2005-06-14 23:56 | business

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