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長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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三社祭

三社祭_b0051385_17124922.jpg金曜の夜からピーヒャラ、ドンドンの囃子の音が延々鳴り響く。隅田川花火の夜に次いで我が家周辺が賑やかになる土日。雷門の辺りには半被姿で呼び込み営業に熱心な人力車商売が増えたが、この日ばかりは彼らの存在が霞む。いたるところに半被に締め込み姿の浅草地元民があふれかえるからだ。地元民にとっては、身体に染み付いた行事、何があろうと神輿をかつがないわけにはいかない。私も数年前に飛び入り参加したことがあるのだが、どうにもリズムにのれず難渋した。ステップがぎこちないので明らかにカッコ悪い。体重移動を周囲と合わせられないので、担ぎ棒と肩の接点が相当痛くなる。で、以来二度と担いでいない。
三社祭_b0051385_17141548.jpg左上は、妻の実家がある、駒形町内の神輿。左は我が家が所属する寿三東町内の神輿を自宅のベランダから見下ろした図。寿の方が担ぎ手や周りを囲む観客が少ない感じだ。ただ、聞くところでは、我が町内の活きのいい衆が前日に仲見世通りで喧嘩沙汰を起こし、その連中に対してレッドカードが出されためでもあるらしい。その点を割り引くにしても、寿三の人出は他地区に比べるとやや寂しい感じがした。町内会と町内青年会に挨拶に行った際も、是非参加してくださいと丁寧に誘われた。もっとも、引き換えに500ml酒(月桂冠)が出てくるあたりからして、ある程度潤っているのではないか、とは妻の弁。
三社祭_b0051385_17132236.jpg今年から本社神輿渡御状況がGPSによって左図のようにネットにてリアルタイム開示されるようになった。毎年遅れが生じがちな本社神輿の移動がこれでかなり追尾し易くなった。本社神輿と言えば、最も神聖な儀式は日曜午前6時の宮出し。今朝も妻は午前3時に起きて神社に出掛けて行った。永年の警察に対する陳情の成果によって、昨年からヤクザばかりでなく一般の氏子達にも宮出時に担ぐ順番が回って来るようになったのである。お陰で宮出しで神輿を担ぐ幸運に恵まれた妻は興奮至極状態であった。
三社祭_b0051385_17133956.jpg左は江戸通りのバンダイ本社付近を北上する一之宮神輿。3年に一度の一之宮となると、否応なく担ぎ手達のムードも盛り上がる。勢い余ってあっちへグラグラ、こっちへグラグラの千鳥足状態になると、けっ、だらしねぇと非難の対象となる。良い神輿というのは、整然とチームワーク良く統率された隊列によって速過ぎず遅すぎず着実に歩を進めるものらしい。早朝の浅草寺境内での宮出しは、こうした一般道を練り歩く神輿とは全く雰囲気が異なり、正にヤクザの年に1度の晴れ舞台という感じで、殺気立った一大気合いイベントであった。そうした慣わしも依然一部で残るようだが、日中の街中ではそこまでの烈しさはない。
三社祭_b0051385_23261626.jpg私以外の我が家の面々は祭装束を新調した。母子合わせて3万円程の買物。長女はこの後、馬上の人となるも、闊歩する天狗に怯え、家に帰ろうと泣き出す。
大の大人が半分喧嘩みたいなおしくら饅頭状態の中で必死の形相で担ぎ棒を奪い合う様や、威勢のいい掛け声が響き渡るのに接すると観る側にも元気が出る。一方で、昼間から、近隣の家々の前にゴザが敷かれ、汗が噴き出て尻を露出した男や、髪を結い上げ派手な化粧をした女がだらしなく寝そべり、ぐびぐび旨そうにビールを飲んでいる光景もわるくない。この祭りとともに夏到来を実感する。
by phasegawa | 2005-05-22 21:41 | diary