長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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札幌に行く

紀伊国屋札幌本店が先月リニューアルしたので訪問。シンガポール人が設計した店舗は、従来の年季が入ってギシギシに窮屈だった大通りの店と打って変わって、高い天井に白い壁、明るい照明の2F建で、外観も内装も美しかった。店長オススメ、2Fの眺めのいい喫茶店の「アラビアの真珠」(@525)の一杯にも至福を感じた。

地方の景気が悪いとか東京化が進むとか言われているが、小売・サービス業の競争の現場は非常に激しい。この記事の通り、駅界隈の3店だけで2,400坪、隣接してヨドバシもビックもある。郊外には、正直なところ本屋よりもパチンコ屋に見えてしまう目立つデザインで、実は未だに店名の由来がよくわからない大型店もある。

書店は、価格では競いようがないのでもっぱら品揃えの勝負になり、土地に余裕のある北海道なら当然、大型店舗の出しあい合戦になる。中小規模の書店にとっては厳しい時代なのだろう。ただ、旭屋の店長が「ウチはどうやっても入門書が売れん。どうしてなんやろ。」と不思議がってたように、売場の広さ以外にも本屋の個性はなんとなくある。立地や面積で分が悪い店であっても、店作りに自社の強みを出す知恵の勝負によって資本力に対抗したいものだ。六本木ヒルズからは撤退したヴィレッジヴァンガードだが、いつの間にか地方都市で店を増やしており、どこを覗いても結構客が入っている気がする。書店で経常利益率が1割超あるのも驚異的、と思ったら、来週増資するみたい。店ばかりか長久手のオフィスも凄かった。縁を持てたのはラッキーだった。

消費者の立場からしたら、大きな本屋が競い合っている街は結構住み心地が良いかも知れない。もっとも、旭屋の店長は「これからのいい季節、北海道では本は売れまへん。雪が降り始めて人が家にこもり出してからが勝負です。」と言っていた。なるほど、夏の北海道で家にじっとしていられる人間はやはり少ないということか。

ところで、Tさんから、日本のIT新興企業の系譜には北海道型と九州型があるが、オタクは典型的な九州型ですね、と言われて驚く。そりゃ福岡に4年住んでいたし、歴史をたどれば確かに九州に行き着くのだけれど、「型」という見方は意外だった。孫氏やホリエモンみたいな有名人も輩出しているが、ああいう方々も九州で創業した訳ではない。いろんな場所でいろんな人が生まれ育っているのだろうが、相対的に九州に起業の風土があるとはあまり思えない。なにしろ温暖で歴史があって、暮らしやすくて、困ることが少ないのだから。要するに恵まれている土地なのだ。豊かな土地に住むと、人一倍頑張る理由を見出しにくい。パフォーマンスをアピールするには、熱狂的に盛り上がる「祭」という伝統の場がある。しかし、考えてみれば、初代オーナーも頑張るという気配をあまり感じさせない、粋で胆の太い有徳人だったっけ。

北海道の冬、札幌以外の街に行ったら、あまりの寒さと何もない土地の広さ、対照的に数少ない人影に相当心細い思いをする。うっかり飲んだ後に道端で一眠りしようものなら(ってフツー寝ないか)凍死する。ああいう環境を小さい頃から経験してたらどうしたって鍛えられると思う。実際、私が知る道産子達はタフだし。
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by phasegawa | 2005-05-14 21:18 | diary