長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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60年の記憶

隅田川公園や墨堤界隈では桜祭りが催され、花見客で賑わっていた。家からチャリで10分、川向こうの向島、すみだ郷土文化資料館の「東京空襲・60年-3月10日の記憶-」展に行く。被災者が記憶を頼りに描いた絵画展。生死の境を彷徨う目に映った惨状を伝えたいと思う人がどんな絵を書くのかに興味があった。川面一面を赤く火がなめ、見渡す限り死体が浮かんだ隅田川。黒い土くれみたいだったり、蟻の大群のような焼死体の山。多くが反り返る焦げた焼死体群の中、うずくまって子を抱いたまま焼けた母親。焼夷弾の直撃を受けて火柱の中で飛び跳ねる人。水面に顔が沈んだままの母親の背中で頭巾が燃えて泣く赤子。やっと探し当てた変わり果てた家族の姿に対峙した短い時間。今となっては想像つかない地獄絵だった。絵を描いた人達は既にかなりの高齢に達している。もう20年もすれば、記憶を持つ人はほぼこの世からいなくなる。
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by phasegawa | 2005-04-03 21:03 | diary