らしさ
2005年 03月 29日
先週の木曜以降、北尾吉孝氏のテレビ露出が激しいのだが、この人のしゃべりを聞いて、ああ野村の人だ、と思わずにいられなかった。高低差のある大きな声のトーン、饒舌、タフネス、自信。。相手を射すくめる迫力は、できる人が猛烈にできる、あの強力な会社の一流の人に特有で私の記憶にも深く刻み込まれているものである。こうした個性は、北尾氏が野村を離れて10年経った今になっても業界内で幅を利かせているのだろう。そうした「らしさ」の価値と無価値について隊長が書いていた。野村以外にも、リクルートやアスキー出身者のらしさは私にも何となく解るが、ドコモや電通のらしさは知らない。大企業のように職種よりも社名を言った方が手っ取り早くキャリアを説明できる人のらしさは解る気がするが、自分個人の「商品価値」を追求して自分らしいキャリアアップを目指そうとする場合の感覚を、私が理解できているとはとても言えない。曰く「でも、雇う側として本当に欲しいのは、もちろんスキルや情熱といったものもあるけれども、その人が仕事を通じて何を実現しようとしているのか、何にこだわりを持っているのかといった、人間としての何かを求めているかにほかならないのです。」で、私もその通りと思う。だが、雇う側が踏み込める(踏み込むべき)領域とはどこまでか。一つの企業を勤め上げて一生を終える時代は終ったとは、ごく一般論に聞こえるが、それを悲しいと感じる隊長の目線があった。
by phasegawa
| 2005-03-29 00:24
| diary