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長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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JTの希望退職

1週間以上経過しただが、JTの希望退職募集に計画を65%上回り、従業員数の35%にあたる5,796人が応募したそうである。率直なところ、社員の3人に1人が減ってもまわる会社であるからには、よほどラクな仕事だったのだろうと思わずにはいられない。希望退職に伴う特別損失が2,060億円、退職後のコスト削減効果が年間550億円、と発表しているので、各々割り算すると、退職者の平均給与は9,489千円で、平均割増退職金は35,542千円ということになる。ん~、いい会社だ。

昨年末に風邪をひいて以来私は煙草をやめているが、それはさておきJTも脱煙草屋を宣言し、医薬、食品を新たな事業ミッションに加え、環境問題や社会貢献活動にも取り組むブランディングカンパニーを目指しているようだ。希望退職大幅増により短期的には業績は下方修正だが、長い目でみると、ブランディングがますます強化されて、よかったよかった、ということになるのだろうか。よくわからないけど。

退職と言えば、外資金融で働く妻によれば、社員の首切りはやはり日常茶飯事らしい。ある日唐突に、「○○さん、ちょっと・・・」と別室に呼ばれ、「これだけの条件を出すから、ここにサインして30分以内に荷物まとめて出て行ってください。残りの荷物は後で自宅に送ります。サインしない場合は、もっと条件が悪くなるでしょう。」というシーンになるそうだ。あまりにも日常的なので、解雇を告げる方も受ける方も実にサバサバしたものだとか。私が働いてきた日本企業でも減給・降格、まれに解雇もあるが、さすがに日常的とは言いがたい。どちらのカルチャーも一長一短であるが、どんな会社に勤めようが、いまどき会社に一生ぶらさがっていようと思って本当にぶらさがり続けていられるのは、よほどのブランディングカンパニーでないと難しいのではないか。

私は、勤め先に不満があったり、上司よりも自分の方ができると思ったら、さっさと辞めたらいいという考えであり、辞める選択を真剣に検討せずに不満を同僚との愚痴や陰口で解消しようとするのが一番嫌いだ。憂さ晴らしのエネルギーがあるなら、新天地を見つけることに集中するか、現状を自分の力で変える努力を試みたい。

ただ、個人で会社と交渉するには、意気込みだけでは空回りしかねなくて、ある程度の器用さやしたたかさも求められる。外資で首にされる場合、解雇は覆らなくとも、訴訟をおこした方が退職金が上がる場合が多いらしい。外国人社員はすぐに会社を相手取って訴訟をおこすが、日本人は物解りがよく、訴訟までする人は滅多にいないそうだ。私達は、したたかであることがカネになると解っていても、それを選ばないことも多いのである。
by phasegawa | 2005-02-26 19:34 | issue