長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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蜜柑

和歌山県海草郡の野村さんという方から母宛に小型の郵パックが届く。中を開けると、新聞紙にくるまれた、たぶん和歌山産なのだろう、蜜柑が入っていた。電話をしてみると、死んだ兄の高校の同級生のお母さんだった。時々手紙のやりとりをする仲だったらしい。私の両親が死んでいることを知らず、今年の春には桃を新潟へ送ったところ腐った状態で和歌山に戻ってきたので不審に思っていたらしいが、季節が変わって再度発送を試み、どういうわけか今回は新潟の郵便局は小包を東京に転送してくれた。一人暮らしで最近は目が悪くなって字が書けなくなったと話すが、宛名の文字はとてもしっかりしていた。声も大きくはきはきしていて、御年90歳近い人とは聞いた耳を疑った。初めて言葉を交わした老婦人に、驚かれながらも、大変失礼しました、お参りには行けませんが息子さんはどうぞ長生きしてください、といたく丁重に言葉をかけていただき恐縮する。二度と話すことも会うこともない人かも知れないが、死んだ人間の過去を聞かせてもらい、蜜柑を仏前にまで届けられたのは幸いだった。
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by phasegawa | 2004-12-12 23:34 | diary