長谷川新多郎の備忘録。最近は写真中心。


by phasegawa
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『市場の中の女の子』

14世紀のベネチアやアラビアを舞台にし、主人公である15歳の少女が市場を見つめ、体験することで経済学のエッセンスに触れてゆく。ファンタジー仕立ての展開で、布団の中で熱にうなされ夢うつつ状態で読むのに丁度よかった。
主流派の新古典派経済学の意義を説きつつも、新しい経済学として文化の経済学を紹介している。
たとえるなら、一つの大きな川の流れの中をいろいろな段階の経済として複数のボートが流れてゆくのを観察するのが従来の経済学、文化の経済学とは、川の流れ自体が幾筋もあることを前提にそれぞれのボートの流れ方を別個に捉えるアプローチとする。
川の流れが幾筋もあるというのは、その国特有の歴史や言語が人の経済活動に与える影響が思いのほか大きかろうという発想によるもの。
人は合理的に行動する、という命題に意味があるとしても、文化が違えば異なる行動を取りうる。当たり前のような話だが、そういう行動を理論化することに熱心な学者達がいる。時間があれば、自分も新しい経済学に接してみたいとは思う。
この本は、ほとんど絵本と言ってよいほど伸びやかな挿絵がふんだんにちりばめられ、文章もとてもやさしく書かれている。誰でもわかる経済学の類の本はたくさん出されてきたが、ついにここまできたかという感じ。
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by phasegawa | 2004-12-07 11:47 | review